血栓性外痔核とは?
おしりの出入口にできた血豆です。
肛門の周りにある外痔核の血管の中で血の流れが止まり、血のかたまりができたものです。えんどう豆・パチンコ玉くらいの硬いしこりができます。
主な原因は?
スポーツ・無理ないきみ・ストレス・便秘・妊娠・ 内痔核(いぼ痔)・外痔核・肝疾患・飲酒・疲労等の原因で、いきんだ時や肛門部に負担がかかった時に形成されます。
なりやすい人は?
スポーツ全般・立ち仕事・便秘の人・重いものの運搬をする人がなりやすい。
症状
急に腫れて痛みがあります。(痛みが主)
破れると下着に出血が付くことがあります。出血すると痛みはやわらぎます。
好発年齢・性別
40代・20代の方が一番多い。
妊娠後期の女性にも多く発生します。
病気に気づいたら?
医師の診察を受けてください。
肛門を清潔にして、入浴して温めると症状がやわらぎます。
診断方法
問診をして全身状態を観察し、肛門診で診断します。
治療法
血の塊が大きい時には、血の塊を抜く処置をします。
腫れ・痛みがひどい時には、切除します。
軽いものだと1週間ぐらいで腫れと痛みがとれますので、腫れ・痛みのとれるような薬を処方します。
便秘をしないように食事や薬の使い方の指導を行います。
手術
局所麻酔下で血栓除去術(日帰り手術)
後遺症について
スキンタグという肛門の皮のたるみが深いシワとなって残る場合があります。
放置してもかまいませんが、気になる人には切除を行います。
退院後の日常生活
なるべく安静に過ごしましょう。軽い労働ならできますが、長時間の運転や、力仕事、同じ姿勢を長く続けることは避けてください。
自転車やバイクに乗ることはしばらく避けましょう。
排便後いつもきれいにしておきましょう。
辛いものや刺激物、お酒などは控えましょう。
退院後の通院について
退院時に主治医に確認してください。
薬について
鎮痛薬・鎮痛座薬など、症状によって処方します。
予防法
規則正しい生活習慣を守り、便秘をおこさないようにしましょう。
また、長い間、同じ姿勢を続けないようにしましょう。
おしりに「しこり」ができて、血栓性外痔核と思いますが、がんになりませんか?
血栓性外痔核とよく似た病気に「悪性黒色腫」がありますので、自己判断せずに専門病院を受診してください。
肛門に、ぷくっと豆のようなものができて腫れて痛いです。
触っていたら潰れて出血してしまいました。どうしたらいいですか?
血栓や膿瘍形成の場合があり、治療方法が異なりますので、専門病院を受診してください。
妊娠していますが、日帰り手術はできますか?
はい、できます。
妊娠周期によって麻酔方法が異なりますが、日帰り手術が可能です。
年に数回、血栓性外痔核になり、いつも同じ所が腫れます。
なぜでしょうか?
血栓性外痔核が再発する可能性があるのは、肛門に過度の圧力がかかる場合です。ただし、一度発症したからと言って、血栓ができやすくなるというわけではありません。したがって、再発する場合は、肛門に負担をかける状況にあると推測されます。
血栓性外痔核が再発する人の多くは、以下のような行動を繰り返している場合があります。
- 排便時の長時間のいきみ
- 長時間の座位(運転など)
- 重い物を持ち上げる作業
- 腹圧のかかるスポーツ(ゴルフなど)
- 風邪などによる咳
原因となる行動が継続する限り、血栓性外痔核が常に発生する可能性があります。リスクを減らすためには、こうした行動を日常的に行わないように心がけましょう。
特定の職業では行動の制限が難しい場合もありますが、そのような場合には、定期的なストレッチや長時間同じ姿勢を続けないようにすると良いでしょう。
季節の変わり目は、血栓性外痔核になりやすいと聞きました。
どうしてでしょうか?
季節の変わり目、特に気温や湿度の急激な変化がみられる春と秋には、くるめ病院でも血栓性外痔核の患者様が増える傾向があります。
これは、気温の変化や湿度の増減により、血管の収縮や拡張が起こりやすく、その影響で痔核の炎症が悪化しやすくなることが一因です。また、季節の変わり目は風邪や感染症なども流行しやすい時期になり、体の免疫力が低下しやすいことも関係しています。
他にも、季節の変わり目には生活環境や生活リズムが変化することがあります。例えば、運動量が減少したり、食生活が乱れたりすることがあると思います。これらの変化が便秘や下痢などの消化器系の問題を引き起こし、痔核の発生や悪化を促す可能性があります。
これらの要因が組み合わさることで、季節の変わり目に血栓性外痔核になりやすくなると考えられます。
血栓性外痔核の際、お酒は控えた方が良いでしょうか?
アルコールは種類を問わず、消化器への刺激や水分の消失を促進し、便秘や下痢を招く可能性があります。
また、一時的に血圧を上昇させることもあり、血流の影響を増大させ、肛門に負担をかけます。そのため、血栓性外痔核の症状を悪化させる可能性があります。
血栓性外痔核になったら、痛みと腫れがなくなるまで、お酒は控えることが望ましいです。
トイレに行っているうちに、おしりが腫れてきました。
原因は何でしょうか?
排便の際、下痢や便秘などに伴う状況によって、肛門(おしり)の痛みや腫れが引き起こされることがあります。
下痢の場合、頻繁な排便によって肛門の皮膚や粘膜が摩擦や刺激を受け、炎症が起こる可能性があります。また、下痢によって便中の酸性度が高まり、肛門周囲の皮膚や粘膜を刺激して炎症や腫れを引き起こすこともあります。他にも、体内の水分や電解質が失われ、肛門の皮膚が乾燥して荒れやすくなることも要因です。
一方、便秘の場合、トイレでいきむことで肛門周囲の圧力が増し、血管が圧迫されます。これにより、肛門周囲の血流が悪化し、血行不良や炎症が起こることがあります。また、長時間のいきみによって肛門の皮膚や粘膜が摩擦や刺激を受け、腫れや炎症が引き起こされることもあります。