大腸ポリープとは、どんな病気ですか？

「ポリープ」という名称は病名ではなく、粘膜に膨らんだイボのように見える粘膜の総称となり、大腸ポリープでは、大腸内の粘膜上にできる腫瘤（しゅりゅう：腫れ）のことを指します。

大腸ポリープは、通常は症状がないため、検診や健康診断で発見されることが多く、多くの場合は良性です。ただし、一部のポリープは、将来的にがん化の可能性がある腫瘍性ポリープと、がん化しなくても出血などの症状を起こす非腫瘍性ポリープに大きく分けられます。

非腫瘍性の中に、過形成性ポリープと呼ばれるものがあります。これまで、過形成性ポリープはがん化のリスクはほぼないとされてきましたが、大きなものや、上行・横行結腸にできるものは、がん化のリスクがあることがわかってきました。

大腸ポリープを発見する最も効果的な方法は、大腸内視鏡検査（大腸カメラ）です。40歳を過ぎたら一度は検査を受けることをおすすめします。

大腸ポリープは、自然に消えることがありますか？

一般的には、大腸ポリープは自然に消えることはありません。ごく小さなポリープの場合は自然に消失することがありますが、多くは消えずに成長する可能性が高いでしょう。

大腸ポリープの消失や成長には、ポリープの種類、大きさ、組織組成、健康状態などのさまざまな影響や要因を受けます。ポリープの性質を正確に評価するためには医師による診察が必要となりますので、不安がある場合は専門医の受診をご検討ください。

大腸にポリープがあると言われました。取ったほうがいいでしょうか？

大腸ポリープは、腸内の粘膜の腫れや腫瘍の一種であり、多くの場合良性ですが、ポリープの大きさ、形状、数、位置などによっては悪性化する可能性があるため、くるめ病院では取り除くことをおすすめしています。

大きなポリープや悪性腫瘍の疑いがある場合

通常、外科的手術による摘出が必要となります。

小さなポリープの場合

内視鏡的ポリペクトミーと呼ばれる方法で取り除きます。内視鏡を使用して直接ポリープを観察し、電気メスやレーザーなどの器具を使用して取り除く方法です。

大腸ポリープの大きさとがんの関係性はありますか？

大腸ポリープの大きさとがんの関係性は、一般的にポリープが大きくなるにつれて、がん化するリスクが高くなる傾向があります。

例えば、直径10mm以上の大腸ポリープは、がん化するリスクが高くなるため切除が推奨されます。大きさ以外にも、複数のポリープがある場合や、ポリープが多発する場合は、大腸がんの発症リスクが高くなることが報告されています。

大腸ポリープの切除について教えてください。

通常、大腸ポリープは手術を必要とせず、内視鏡的ポリペクトミー（内視鏡によるポリープ切除）という治療方法で切除することができます。

内視鏡的ポリペクトミーは、内視鏡を使用してポリープを観察し、切除する治療方法です。内視鏡を大腸に挿入し、ポリープが見つかった場合、内視鏡に取り付けられたワイヤー状の道具を使用してポリープを切除します。内視鏡的ポリペクトミーは入院期間も短いため、患者様にとって負担が少ない治療方法です。

ポリープの大きさや数、場所によっては内視鏡的ポリペクトミーが難しい場合もあり、ポリープががん化している場合や、腫瘍が大きくなり周囲の組織に浸潤している場合には、外科的手術が必要となることもあります。

若い人でも大腸ポリープはできますか？

一般的に大腸ポリープは中年以降に多く発生する傾向がありますが、遺伝的な要因、生活習慣、食事習慣などの影響を受けることによって、若い人でも大腸ポリープが発生する可能性があります。

特に家族歴に大腸がんや大腸ポリープの症例がある場合には、若年齢でも大腸ポリープのリスクが高まることがあります。大腸ポリープが疑われる場合には、専門医による診察や大腸内視鏡検査（大腸カメラ）を受けることをおすすめします。