院長挨拶
2025年を迎えて
新年おめでとうございます。
くるめ病院は大腸肛門の専門病院として、肛門疾患、大腸がんの診療、大腸ポリープの内視鏡診断・治療、炎症性腸疾患の診断・治療、便秘や便失禁、機能性下痢症など、多岐にわたる大腸肛門機能障害に幅広く対応しております。この分野において、多くの患者様にご利用いただき、貢献できているものと自負しております。
一方で、専門領域だけでは地域に十分な貢献が果たせないと考え、現在は排泄障害を抱える高齢者の方々の受け入れにも力を注いでおります。例えば、明確な病気ではないけれど、自宅での日常生活が困難となった「サブアキュート」や、何らかの疾患で急性期病院に入院して回復はしたものの、まだ自宅や施設に戻るには不安が残る「ポストアキュート」、さらに介護者の負担軽減を目的とした「レスパイト入院」などにも対応しております。
また、排便に関する診療は当院が得意とするところですが、2024年12月より排尿支援加算を取得し、診療の幅を広げることといたしました。この取り組みは、頻尿、尿漏れ、排尿困難、残尿感などの下部尿路症状を抱える方々の生活の質を向上させることを目的としております。従来、おむつの長時間使用や尿道カテーテルによる管理が主流であった方々に対し、より尊厳を重視したケアを提供し、寝たきりや尿路感染症の予防に努めてまいります。
当院は開設から35年を迎え、最新の医療に対応する中で課題が増えつつあります。気候変動に伴う毎年頻発する水害への備えは不可欠です。これまでは施設の改修を重ねて対応してまいりましたが、本年を契機にリニューアルに着手し、さらなる向上を目指したいと考えております。
今後も地域医療の発展に貢献するとともに、専門分野の知識と技術を磨き、大腸肛門疾患や排泄の悩みを抱える方々に寄り添い、地域や全国の皆様のお役に立てるよう頑張っていく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
社会医療法人社団高野会くるめ病院
院長 野明 俊裕