どのような治療がありますか?
便性状の異常による便失禁
大腸輸送能が亢進することによって便がやわらかくなり、いつの間にか漏れてしまう状態です。大腸輸送能検査、食生活や排便状態を記載するお通じチェック表をもとに食生活の改善や便をコントロールする薬を使用します。
肛門括約筋機能障害による便失禁
直腸肛門機能検査や肛門超音波検査等で診断します。治療は食事療法・薬物療法により便性状のコントロールをすることからはじめ、肛門括約筋訓練(バイオフィードバック)で便の保持力を強化します。しかしながら、事故や痔の手術などのために括約筋が切れている人には、損傷部分を縫い合わせたりすることもあります。
直腸壁の伸展性障害による便失禁
術後などによる直腸の容量低下が原因なので食事療法・薬物療法で便の性状、回数、排便時間をコントロールし、直腸をふくらませる訓練と排出訓練を行います。
骨盤底筋群の協調運動障害による便失禁
骨盤底筋群の動かし方が不都合なためにおこる便失禁です。肛門の開け締めや排出訓練を行います。
神経障害による便失禁
脊髄の障害部位による排泄障害の程度とADL(日常生活における動作)に沿った統括的な排泄ケアが必要となります。