概要
大腸・肛門疾患の専門病院である「くるめ病院」は、抗がん剤治療におけるチーム医療の推進に注力しています。
患者様のニーズが高度化・多様化し、看護師など多職種の知識や技術もレベルアップしている現在、医師主導型の治療よりも、医師と他の職種で1人の患者様を包み込むように治療を進めることが望ましいと考えます。
大腸がんの化学療法とは?
大腸がんとは、大腸(盲腸、結腸、直腸、肛門)に発生するがんで、日本では約26万人と他臓器のがんと比べても非常に多いといわれ、早期の場合はほとんどが無症状です。
大腸がんの治療法には、手術治療、内視鏡的治療、化学療法(抗がん剤)があります。
抗がん剤治療において最近では抗がん剤の開発進歩もあり、また、日常生活を送りながら治療を受けたいという患者様が増えており、入院治療だけでなく外来治療を選択される患者様が多くなっています。
患者様に、もっと「安心」していただくために
くるめ病院の化学療法センターがチーム医療の充実に乗り出したきっかけは「がん化学療法看護認定看護師」を配置したことにあります。
患者様は、どうしても医師を特別な存在とみなしがちです。医師の前では聞けないこと、話せないことも看護師や薬剤師には気兼ねなくたずねられています。その会話の中で、医師から説明された治療に対する理解の不足や、誤解が生じていることも時に垣間見えます。
患者様の声をより正確にお聞きするためにも、看護師をはじめとするスタッフに、多様かつ深い知識が必要です。スタッフも疾患や治療に関する専門知識を有していると感じていただければ、患者様の安心感は高まると思っています。
構成メンバー
くるめ病院の化学療法センターには、医師・看護師と薬剤師の他に、事務職員や栄養士・リハビリスタッフも参加しています。
例えば・・・
患者様の多くは、大きな不安を抱え治療されています。
私たち化学療法チームは、がん化学療法看護認定看護師を中心に計3名の看護師で治療開始時より携わり、診察前問診や当日点滴の一連に関わり専任看護師がつくことで安心して治療を受けていただけるよう努めています。
また、ご希望の患者様には、後日電話訪問で副作用の確認なども行っています。他にも、毎週1回カンファレンスを行い、患者様の情報交換、共有することで、よりよいチーム医療を実践しています。
仕事と治療の両立支援について
近年、がん治療技術の進展により、生存率が向上し、がんと共に生きる時代となっています。また、がんを患った方の3人に1人は20代から60代の働く世代であり、仕事を持ちながら治療を続ける方も増えています。
しかし、がんと診断されたことを誰にも相談できず、仕事への意欲があるにもかかわらず退職を余儀なくされるケースも少なくありません。治療と仕事を両立するためには、雇用主様にも理解を深めてもらうなど、働きやすい環境を整えることが重要です。
くるめ病院では、患者様とその雇用主様が共同で作成した勤務情報の文書をご提出いただいた場合、就労と療養の両立に必要な情報を提供いたします。また、診療情報を提供した後の勤務環境の変化を考慮し、療養に必要な指導を行っています。ご希望の方は、お気軽にお申し出ください。
これからの化学療法センター
質の高い医療を提供して、患者様にチーム医療のメリットを還元しなければなりません。
安全・安楽・安心をモットーに、患者様が抗がん剤治療を受けながらも、生活の質を維持できるよう心身ともに、スタッフ全員で包み込むようにサポートできればと思っています。